誰よりも愛する君へ
苦しげな沈黙が流れる。

初めに口を開いたのは捺くんだった。

「優斗・・・ハル連れて来たんだ。意味・・分かっとるやろ」

「・・・・・・あぁ」

「じゃあ、ストレートに聞くぞ」

優斗はずっと窓の外を見ていてアタシ達とは目を合わせない。

「お前はハルのことどう思っとるん」

「・・・ええ友達やと思っとるよ」

歳月は経っても優斗の思いは変わらない。

アタシは優斗の特別にはなれへんの?

「俺が居ると話しにくいやろうで、出てくわ。そんかわりちゃんと話せよ。ハルもその気で来とるんやで」


捺くんはそう言って部屋を出てってしまった。
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