誰よりも愛する君へ
薫の部屋のインターホンを三回押す。

アタシが薫に送る二人だけの秘密の暗号。



ピーンポーン------



三回目のインターホンが鳴ると勢いよく部屋のドアが開いた。

アタシは強い力で抱きしめられる。

「薫・・・」

「ハル・・・・・・」

「薫・・・ごめんね」

「・・・・・・。中入って」

耳元で弱々しく呟く薫。

「うん」


薫はアタシの体を自分から離すとアタシに幾度となく口づけをした。


まるで悲しみの穴を埋めて行くように・・・


「ハル・・・・・・俺だけのものでいて・・・」

薫はアタシをベッドに押し倒した。


今日で最初で最後だから・・・

アタシは薫にすべてをゆだねた。
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