誰よりも愛する君へ
「・・・ハル。ごめんね・・・」
ゆっくり瞼を開くとアタシの上で薫が泣いた。
「薫?」
「ハル・・・・・・悲しい?」
「・・・ううん」
だって、薫に抱かれること以外でアタシどんな罪滅ぼしが出来る?
「ハル・・・嘘、下手」
「嘘じゃないよ」
薫はとても悲しそうな顔をしてアタシの頬に触れた。
「ハル・・・・・・泣いてる」
そっと自分の頬に触れる。
アタシの頬は冷たい涙で濡れていた。
薫はアタシの上からそっとどくとタバコに火を付けた。
アタシはぼーっと薫の吐くタバコの煙を見ていた。