誰よりも愛する君へ
「ハルが居なくかるんじゃないかって・・・俺・・・ずっと不安やった」

「・・・・・・ごめんなさい」

「ハルは俺と居ってもずっと悲しそうな顔ばっかしとって・・・」

「・・・・・・ごめんなさい」

「ハル・・・・・・俺と居る時、本気で笑ったことないんよ」

「・・・・・・ごめんなさい」

アタシは涙声になりながら謝った。

「ほら・・・今だって謝ってばっかやん」

「・・・・・・ごめんなさい」


薫・・・、

ごめんね。

アタシはこの罪をどうやって償えばいいの?

「俺とセックスでもすれば許すとでも思った?」

「・・・ごめんなさい」

「ハル・・・俺、優しくないで一生許さんよ」

「・・・・・・ごめん・・・」

「もう謝んなよ!!」

薫は机をバンッて叩いた。

「・・・・・・・・・。」

少しの沈黙の後、薫はタバコの火を消しながらアタシを見た。

「ハル・・・幸せになれよ。俺はいつでも待ってるから・・・淋しくなったらいつでもおいで」

薫の瞳はいつでも優しくて・・・・・・

薫は最後にアタシをギュッて抱きしめるとおでこに優しくキスをした。


アタシは泣きながら夜道を歩いた。


一人で歩くとこんなに長い道だったんだって実感した。

でも悲しいことなんてなくて・・・薫のおまじないのおかげで真っすぐ前を見ることが出来た気がした。
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