誰よりも愛する君へ
優斗がアタシの髪をアタシの耳にかけながら優しく問い掛けた。

「秘密ぅー」


アタシがそう言った次の瞬間、

二人の唇が重なった。

アタシはあまりに突然で瞼を閉じるのも忘れた。

「真面目に答えないから罰!」

「もう・・・優斗!!」

アタシが髪を真っ赤にすると、

「ハルって、照れると茹でタコみたい」

「優斗、酷い!」

「だって俺ド・Sだもーん」

って、優斗は得意げに笑った。


その後もイチャイチャしてると、いきなり看護師さんが入って来た。

アタシは勢いよく優斗から離れる。

結構オバサンの看護師さんはアタシの隣を通る時にゴホンって咳ばらいした。

でも優斗はそんなことちっとも気にしないで、看護師さんが出て行ったことを確認すると、ずっとアタシを抱きしめていてくれた。





それからと言うものアタシは毎日優斗の元を訪れた。

「ハルとずーっと一緒におりたい!」

優斗は毎回そう言った。

「明日で夏休みやでね!一日中、一緒におれるよ」

アタシがそう言うと優斗は嬉しそうに笑った。



今日は終業式。

か弱い校長先生が式の途中で倒れてくれたおかげで式はいつもの半分の時間で終わった。
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