誰よりも愛する君へ
「誰かな?」

「邪魔しやがったな」

優斗が少し口を尖らせた。
アタシはもしものことを考えて優斗の膝から下りた。

「どうぞ」

ぶっきらぼうに返事をする優斗。


ガラガラガラ------


ドアが音を立てて開く。

アタシはドアの向こうの彼の姿を見たとたん、体中の毛穴から一斉にが吹き出すのを感じた。

急いでカーテンの陰に隠れたがもう遅い。

「ハル!?」

バッチリ名前を呼ばれてしまった。

ハァー

アタシは渋々カーテンの陰から出た。

「何!?お前ら知り合いなの?」

優斗が驚いた声を出す。

「・・・・うん」

アタシは弱々しく頷いた。

「じゃあハルの好きな人って優斗!?」

「・・・・うん。その・・・」

アタシが顔を赤らめると薫はニヤリっと笑った。

「ラブラブそうだね。まぁハルの彼氏が優斗なら安心した」

「お前らがどんな関係だったかは聞かねぇーけど、ハルはもう俺のもんだから」

優斗はアタシを抱き寄せた。

「はいはい。いくら俺でも親友の女には手ー出さねぇーよ」

薫はそう言って椅子に腰掛けた。

「ハル、紅茶買って来て」

「・・・うん」
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