誰よりも愛する君へ
優斗はそう言ってアタシにお金をくれた。

アタシは紅茶を買いに部屋を出た。

始めに行った、四階の自動販売機には優斗の好きなレモンティーは無くてアタシはしょうがなく一階の売店に向かった。

「レモンティーあった!」

アタシはレモンティーをレジで買うとエレベーターで病室に戻った。

長い廊下を歩く。

コツコツコツ----------

ローファーが奏でる規則正しいリズム。

アタシは音を立ててドアを開けた。

「おーハル。遅かったな」

「うん。売店まで買いに行ってたんやで」

「わりーな。てっきり、ウンコでもしてたかと思った」

「もういい」

アタシが頬を膨らますと優斗は笑ってアタシを抱きしめた。

でも優斗の胸の中はアタシには優し過ぎて。

アタシは泣いてしまった。

「ハル!!どうしたん?」

「優斗・・・・大好き」

「分かっとるし」

優斗は強くアタシを抱きしめてくれた。



帰りは薫に送ってもらった。

「ハルがまさか、優斗の彼女だったとはな・・・・」

「薫が優斗の友達だったとはな・・・・」

「あいつわがままやけど、優しくしてやってな。抜け毛がひそかな悩みらしいで」
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