夜光虫
その日以来私が残業すると、雫はマンションに泊めてくれるようになった。


痴漢が多発している所に夜遅く帰るのは怖かったので助かった。


出来れば引っ越したかったけど、そんなお金も無かった。


泊めてくれるということは、私を泊めても嫌じゃないということだろうか。


私は感謝の意味を込めて、雫の家に泊まる時は家事を手伝った。


私は実家では全く料理をしていなくて、今も簡単な物しか作らなかったので包丁が使えなかった。


雫は一人暮らしが長いのか、顔と同じように料理も美しく無駄が無かった。


私も最初は全然だったけど、雫に喜んでもらいたくて料理本を見ながら頑張った。


そしたら少しずつだけど上達していった。


「ありがとう」


仕事で疲れた雫を癒すことが出来て嬉しかった。


それからは残業が無くても泊まりに行くことが多くなっていった。
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