俺様王子の初恋





手から力が抜けた気がした。
速まっていた心臓も落ち着いて
今じゃ遅すぎるくらいだ。









──────・・楽しんでる。







さっき顔を知ったばかりの彼にさえ
学年と名前を知られている。
私は何も知らないのに。










「 ・・・・ですか 」


「 なに? 」


「 私をからかうの、楽しいですか 」





この人は、女に慣れてる。
それから意地悪だ。
それくらいしか知らない。







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