俺様王子の初恋
「 地味子って優等生だと思ってたんだけど 」
私の鞄の中に机の上に乗っていた
プリントの山を入れながら笑われた。
「 ずっと寝てたろ 」
「 なっ、なんでですか? 」
「 廊下から寝顔丸見え 」
再度、顔に熱が集まった気がして
彼から目を逸らした。
「 昨日、眠れなかった? 」
「 ・・・ 」
「 俺のせい? 」
「 ・・・ッ! 」
視線を落としていたら、人差し指で
顎を持ち上げられた。
視線が絡む間もなく、目だけを
逸らしたら楽しそうな彼の笑い声が
耳を掠めて、すぐに視線を戻した。
「 ・・・・葵 」
名前を呼ばれるたびに
心臓を鷲掴みされたみたいな、
変な気分になる。