亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
「―――だが………」
少年は指先でピアスを弄りながら、顔をしかめた。
「………この状況は……面白くないな。……………たかが魔獣ごときに……」
途端、不機嫌な少年の目は、少女に向けられた。
…思わず少女はビクリと震えた。
「………あの化け物……本来は…お前達の仲間の監視下にあったんだろう?………どうにか出来ないのか?………見るに耐えないな…こんな食物連鎖の狂いは。………………腹が立つ………不愉快だ」
「………」
…何と答えていいのか分からず、黙ったまま目を泳がせる少女。
困惑する彼女に、少年は睨み付けながら指先を動かして、近くに寄れ、と合図した。
恐る恐る近寄ってきた少女。
恭しく頭を下げながら主の前でひざまずくと………。
………まだ小さな少年の手は、長い緑の髪を乱暴に掴んで引き寄せた。
ナイフの如き鋭い目が、魔の者特有の芸術的な模様が施された美しい瞳を、至近距離で射抜く。
………少女の瞳が涙の膜で覆われようが、少年には知ったことでは無い。
―――絶対忠誠、絶対服従という真理が、そこにはある。
「…………ふん……相変わらず……無駄に美しい眼球だな?…………………お前が器では……この目が可哀相で仕方無い……………………くりぬいてやっても良いんだぞ…?」
冷やかなその目は…本気だ。
我が主は………。
「………」
少女は小刻みに頭を左右に振った。
……なんだ。つまらない、とでも言うかの様に、少年は目を細めた。
「…………だったら……言われた通りにしろ。………王族の俺に仕える身なら………それなりの術は使えるだろう………?」
少年は指先でピアスを弄りながら、顔をしかめた。
「………この状況は……面白くないな。……………たかが魔獣ごときに……」
途端、不機嫌な少年の目は、少女に向けられた。
…思わず少女はビクリと震えた。
「………あの化け物……本来は…お前達の仲間の監視下にあったんだろう?………どうにか出来ないのか?………見るに耐えないな…こんな食物連鎖の狂いは。………………腹が立つ………不愉快だ」
「………」
…何と答えていいのか分からず、黙ったまま目を泳がせる少女。
困惑する彼女に、少年は睨み付けながら指先を動かして、近くに寄れ、と合図した。
恐る恐る近寄ってきた少女。
恭しく頭を下げながら主の前でひざまずくと………。
………まだ小さな少年の手は、長い緑の髪を乱暴に掴んで引き寄せた。
ナイフの如き鋭い目が、魔の者特有の芸術的な模様が施された美しい瞳を、至近距離で射抜く。
………少女の瞳が涙の膜で覆われようが、少年には知ったことでは無い。
―――絶対忠誠、絶対服従という真理が、そこにはある。
「…………ふん……相変わらず……無駄に美しい眼球だな?…………………お前が器では……この目が可哀相で仕方無い……………………くりぬいてやっても良いんだぞ…?」
冷やかなその目は…本気だ。
我が主は………。
「………」
少女は小刻みに頭を左右に振った。
……なんだ。つまらない、とでも言うかの様に、少年は目を細めた。
「…………だったら……言われた通りにしろ。………王族の俺に仕える身なら………それなりの術は使えるだろう………?」