亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~



「―――………城で……何が起きているんだ…?」


稲妻の如く、カッと光っては消え、すぐにまた光る。

巨大な純白の城が、黒く輝いている。



「………黒の魔術……………………クライブが……力を使っている様です……」

「………」

キーツはグッと、剣を握り締めた。

…………どうしようも無い位………不安で、不安で…仕方無い。


あの中は今、どうなっているのか。


あの男は今……笑っているのだろうか。

………冷やかに。








…そんなキーツの不安げな表情を見たリストは…。

「…………総団長……ここは僕とアレクセイに任せて……どうか…城へ向かって下さい…!」

「…リスト…?」

突然のリストの申し出に、アレクセイも賛同してきた。

「………その通りです。…キーツ様……ローアン様の元へ………」

ローアンの身を案ずる自分に、二人は行けと言う。





………しかしキーツは。



「…………馬鹿を言うな二人共…」

そう言って苦笑いを浮かべながら、剣を構え始めた。

…切れてしまった口内。口の中に溜っていた苦い血を、その辺に吐き捨てた。

「…総団長…」

「………」

頑としてこの場を譲らない気らしい。
……城に向かいたくて仕方無い筈なのに…。

「…………狙われている俺が……舞台から降りてみろ。ろくな事は無いぞ……。………それに…………………ローアンもオーウェンも………キレるに決まっているだろ?…投げ出すなって…な…………………」



















『―――私は彼と……向き合わなければならない……』















彼女はそう言った。




だから……自分は。
< 1,055 / 1,150 >

この作品をシェア

pagetop