亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
「―――………城で……何が起きているんだ…?」
稲妻の如く、カッと光っては消え、すぐにまた光る。
巨大な純白の城が、黒く輝いている。
「………黒の魔術……………………クライブが……力を使っている様です……」
「………」
キーツはグッと、剣を握り締めた。
…………どうしようも無い位………不安で、不安で…仕方無い。
あの中は今、どうなっているのか。
あの男は今……笑っているのだろうか。
………冷やかに。
…そんなキーツの不安げな表情を見たリストは…。
「…………総団長……ここは僕とアレクセイに任せて……どうか…城へ向かって下さい…!」
「…リスト…?」
突然のリストの申し出に、アレクセイも賛同してきた。
「………その通りです。…キーツ様……ローアン様の元へ………」
ローアンの身を案ずる自分に、二人は行けと言う。
………しかしキーツは。
「…………馬鹿を言うな二人共…」
そう言って苦笑いを浮かべながら、剣を構え始めた。
…切れてしまった口内。口の中に溜っていた苦い血を、その辺に吐き捨てた。
「…総団長…」
「………」
頑としてこの場を譲らない気らしい。
……城に向かいたくて仕方無い筈なのに…。
「…………狙われている俺が……舞台から降りてみろ。ろくな事は無いぞ……。………それに…………………ローアンもオーウェンも………キレるに決まっているだろ?…投げ出すなって…な…………………」
『―――私は彼と……向き合わなければならない……』
彼女はそう言った。
だから……自分は。