亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
今直ぐにでも、行きたい。

会いたい。


会いたい。




会って…。


…会って、言いたいことがある。




…………だが…。











「………何のために…………………別れを惜しんだと思っているんだ………。…………………もう一度会うなどと……………………………………最初から…望んでなど、いない……!」










キーツの視界には、城の姿は無い。

あるのは………。



…………自分を憎々しげに睨み付ける、この怪物のみ。













キーツを見つけたイヨルゴスが、地面を這って近付いて来た。

しぶとい奴だ。

まだ動けるのか。











「………キーツ様……………………本当に宜しいのですか…?」


片足が折れているため、上手く動けないキーツの肩を抱え、アレクセイは囁いた。

リストが正面からイヨルゴスに向かい、高く跳躍した。
怪物の兜の上に降り立ち、短剣を振るった。














…キーツは、目を細めて………暗い空を見上げた。


…………この寒空だ。雪でも降るかもしれない。





………赤い夜明けは、まだ眠っているのだろうか。

















「―――……アレクセイ………彼女を………何だと思っているんだ…?」



一瞥してきた赤と黄金のオッドアイは、僅かな篝火の明かりを浴びて、輝いていた。























「………………………彼女には、神がついている」












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