亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
………急速に、全身の力が………抜けていくのが分かった。
吸われている、という感覚。
それに反して、懸命に生きようともがく、小さな心臓。
「………………………………死んだ者の事など……今更……どうでもいい………。……………………どうでも………いい事だ………」
………魔方陣が黒光りする。
漆黒の火花が辺りに舞い散り、辺りからバチバチと弾け飛ぶ様な音が鳴り出した。
空気がざわめき、激しく波打つ。
足元の魔方陣がより大きくなり、ゆっくりと回る。
…風も無いのに、玉座の後の大きな旗は靡き、クライブの長い白髪もフワリと揺らいだ。
…垂れた前髪の下から覗く二つの瞳には……………芸術的な、美しい模様が浮かび上がっていた。
魔の者の、瞳。
その血が通う者の、証。
「…………………………………私は………自分が酷く………嫌いだ………………………………………貴様の問いなど………………答えたくも…ない………………」
めり込んだ手が、更に深く浸透した。
ビクン、と大きく震えるローアン。
………力無く拳は解かれ…ダラリと垂れ下がる腕。
見開いていた両眼は……だんだんと……重くなる瞼で閉じられようとしていた。
目がチカチカする。
眩しかったり、暗くなったり………忙しい。
これが真っ暗になったら……。
…………終わりなのか。
「………っ…」