亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
「―――………全てを消し去る……………裁き………フフッ…………なる…ほど」
クライブは自嘲的な笑みを浮かべながら、蒸気の上がる己が身体を、じっと見詰めていた。
………身体の内部から……崩壊している。
………煙の様に、霧の様に………静かに……………消えるのだろう。
この禁術にかかれば………黒の魔力の力など……無いに等しい。
………ジワジワと…体力も魔力も消えていく感覚。
「―――………ハハハハ………どうせなら………腹を貫かれたり……首を落とされたりと…………痛々しい死を迎えたかったな………」
この静かな……痛みの無い、神聖な裁きは………………神の慈悲か。
………戦うために剣を握る者を…戦死させない……屈辱にも受け止められる。
光の眩しさが、更に増した。
体内に沸き起こる熱が、更に高くなる。
痛みは無い。
しかし、熱い。
………熱い。
…………胸の痛み。
…………絶望の淵に立たされた時の…。
…………孤独を味方とした時の…。
胸の痛みに、似ている。
焼け付く様なこの苦しみは……。
もう感じることなど無いと……思っていたのに。
「………………っ…………フフ………ハハハハ……!」
…………笑いが止まらない。