亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
―――…王というものは、どうして男性が優先されるのかしら…?
―――…男尊女卑の考えが……政治にも深く根付いてしまっているのだろうな…。
―――つまらないわ。………どうして女性は駄目なのかしら………男児が生まれなかった時にだけ、臨時の様に女性が玉座につくけれど………臨時ってのが気に食わないわ。
―――………。
―――お父様は……早く男の子を私にくれ!だなんて言うのよ…。………そんなこと言われても困るわ…。でもね、私…………最初は必ず女の子を生むわ…。
―――…反抗か…?
―――クロウ……人聞きの悪い事を言わないでよ……。断じて、違うわ。私は男の子よりも女の子が欲しいの。それだけよ。………絶っ対に女の子を生むんだから………。………………何かしらその顔は。
―――…さぁて、何の事だか。
―――…貴方は男の子が欲しいみたいだけど………ああ、そうだわ。……我が儘だけれど、私は女の子を絶対に生むわ。その代わり………貴方が名前を付けて良いわ。
―――………名前を?
―――名付けは女の唯一の特権だけれど………貴方にあげるわ。付けたいでしょう?我が子だもの。
―――……良いのか…?
―――良いわ。………遠慮がちに言ってる割りには……貴方…嬉しそうね。………女の子の名前だからね。………この事………誰にも内緒よ。
―――…結婚前にこんな話はどうかとも思うが…。
―――早い内に決めておいた方が、後が楽よ?………それで?……………どんな名前にするの……?
―――…そうだな。
―――それなら……