亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
………終わらせないと。
終わらせないと。
終わらせねば。
「…………ルア、トゥラ……来るか…?」
ちらりと二匹を見ると、ルアは元気よく一吠えし、トゥラはじっと視線を合わせてきた。
武器は外で調達すれば良い。
後は…。
「………服が…な…」
服の端が溶け、ボタンだったものと布であった筈の塊が、ぼとりと床に落ちた。
………隊服の一部であるブーツは穴も空いておらず、無事だ。
これとトゥラの能力があれば、なんとか…“闇溶け”が出来る。
ルアとトゥラは、その可愛らしくも、鋭い様にも見える澄んだ瞳で見詰めてきた。
ローアンの様子を伺う様な…。
………強がっているのがばれているのか。
………無理に笑っているのがおかしいのか。
………泣きたいのを堪えているのが、分かるのだろうか。
「……………………………お母様……お姉様………」
目を閉じて、スウッと深く呼吸をして………………天井を見上げた。
「…………城は無事ですが……………私はまた……戦場に出て行きます」
お転婆な娘で、妹で、ごめんなさい。
また剣を持つことを、お許し下さい。
それと…。
「………お姉様…どうやら私は………花嫁衣装を……花嫁として着る事は出来そうにありません………ごめんなさい」