亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
相変わらずダリルは涼しい顔で、驚愕を含んだアレクセイの視線を横目で受け止めた。

「…………ちょっと考えてたんだ。どうにか穴を空けようと思ってたんだけど………人間一人を通す程大きい穴は空けられない。………でも、その剣を向こう側に通す位の穴なら……多分……」

「………わ…私はまだ一言も………」



……言っていないのに。…………まるでこの少年に…心を読まれた様な…。

「………そんな事より今はこっち。……………いいかい…?お爺さんの考えは採用するよ。………僕とそこの白いわんコで、その剣をお兄さんに送るよ」


勝手に決まっていく策に、アレクセイは唖然としながら何度も瞬きした。

「………お前……さっきそれは難しいって………」

「この便利なわんコがいるなら話は別。………白の魔力が欲しかったところなんだ。………あとは僕の力でちょっと弄ればいいだけ…」


…………話の内容がさっぱり分からない。
いまいち釈然としないリストは、訝しげな表情を浮かべてきた。



「………ルアの力は、分かる。………でも何でお前が並ぶんだ…?」

「……で、出来るのですか…!?………一体どうやって…」

「うるさい、黙ってよちょっと。………さっきも言った通り、あんな目茶苦茶な黒の魔力に白の魔力をぶつけたら、ボン。なら………あの黒の魔力を、僕の力で一瞬壊して、綺麗な黒の魔力に戻してしまえばいい。そこにタイミング良く白の魔力をぶつければ………」

互いに溶け合い、中和する。

その中和された部分だけ、穴が空く……ということだ。


「………問題は……どのタイミングで白の魔力をぶつけるか。………僕の力は、本当に本の一瞬しか効かないからなぁ………」
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