亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
その縮こまっていく舌を、キーツはそのまま逃すこと無く二股に分かれた先の方を両断した。
唾液とグロテスクな舌の先が飛び散る。
(……っ…溶けてる…)
…唾液のせいなのか、持っていた武器代わりのものの先が、黒い煙をあげて爛れていた。
…使い物にならない。
(………!?)
不意に、足下から振動が伝わってきた。
地中から響いてくるその揺れは、徐々に地上へ上がってくる。
………そして。
―――ズボッ…という地盤を貫く響音と共に、キーツとイヨルゴスの間の地面から、数本の太い真っ赤な柱が高々と伸びた。
「――パラサイト…!」
しばらく動く気配の無かったもう一つの獰猛な敵が、いつの間にか息を吹きかえしていた。
地中にもこの馬鹿でかい黒の魔力が浸透していて近付けない筈なのだが………この植物はその壁をも越えてしまった様だ。
成長はまだ止まっていないらしく、竜巻に沿って空高く伸びる根は、頭上で徐々に枝分かれしていく。
…数十本に分かれた枝の先が、キュルキュル…と甲高い音を立てて身を捻り………先の尖った槍の様な形へと変化した。
その矛先は全て、睨み付けるイヨルゴスに向き………直下してきた。
キーツは巻き込まれまいと直ぐにイヨルゴスから離れた。
さっきまで立っていた場所に、人間など貫く前に一瞬で潰してしまいそうな太い槍が勢いよく突き刺さる。
巨大な身体のくせに俊敏な動きをする怪物は、鋭利な枝を身を捻って避けていくが、さすがの奴でも全てを避けることは出来ない様だった。
肩や、広い背中にズブズブと深く突き刺さり、生命力を吸っているのか、赤い枝は血管の様に波打つ。
唾液とグロテスクな舌の先が飛び散る。
(……っ…溶けてる…)
…唾液のせいなのか、持っていた武器代わりのものの先が、黒い煙をあげて爛れていた。
…使い物にならない。
(………!?)
不意に、足下から振動が伝わってきた。
地中から響いてくるその揺れは、徐々に地上へ上がってくる。
………そして。
―――ズボッ…という地盤を貫く響音と共に、キーツとイヨルゴスの間の地面から、数本の太い真っ赤な柱が高々と伸びた。
「――パラサイト…!」
しばらく動く気配の無かったもう一つの獰猛な敵が、いつの間にか息を吹きかえしていた。
地中にもこの馬鹿でかい黒の魔力が浸透していて近付けない筈なのだが………この植物はその壁をも越えてしまった様だ。
成長はまだ止まっていないらしく、竜巻に沿って空高く伸びる根は、頭上で徐々に枝分かれしていく。
…数十本に分かれた枝の先が、キュルキュル…と甲高い音を立てて身を捻り………先の尖った槍の様な形へと変化した。
その矛先は全て、睨み付けるイヨルゴスに向き………直下してきた。
キーツは巻き込まれまいと直ぐにイヨルゴスから離れた。
さっきまで立っていた場所に、人間など貫く前に一瞬で潰してしまいそうな太い槍が勢いよく突き刺さる。
巨大な身体のくせに俊敏な動きをする怪物は、鋭利な枝を身を捻って避けていくが、さすがの奴でも全てを避けることは出来ない様だった。
肩や、広い背中にズブズブと深く突き刺さり、生命力を吸っているのか、赤い枝は血管の様に波打つ。