亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
夜明けを迎えた。
国家騎士団の追撃の可能性があったため、中間地点にある沈黙の森に、第3部隊と第4部隊が一時止どまることになった。
第1部隊と第2部隊は先に本拠地の黒い塔へ戻っている。
明るくなった今も、森の中で警戒していた。
………お互い、昨夜の戦闘で損害が大きい。
余程で無い限り、追撃はしてこないだろう。
第3部隊の一部は仮眠に入っていた。
ジスカは少し離れた所で、茂みの側で上着を被って寝ていた。