亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
――……覚醒した途端、ジスカはガバッと起き上がり、被っていた上着の下を覗き………頭を抱えた。






―――……おー…やべっ………もう少し遅かったら完全に……出してたな。

―――………あ―…朝っぱらから………若いねぇ俺も…。


もう一度上着を捲り、ちらりと見て確かめた。

―――…ちょっとしたら直るかな―…。………あ―…情けねぇ………欲求不満ですかぁ―……ジスカ君。


溜め息を吐きながら伸びをしようと身体を捻ると…………。

………真後ろに立って見下ろしているマリアと目が合った。






ジスカ、固まる。









「………あの…これはその―…」

「健康ね、ジスカ君」

にっこりと微笑んで、マリアは踵を返した。

………え?…マリアさ―ん?

マリアは「ジスカ君起きてたわ」とトウェインに報せに戻っていた。

「そうか。体調は良さそうだったか?」

ジスカは茂みの影からちょっとびくびくしながら聞いていた。



「ええ。………元気、だったわ」






………マリアさん………俺にはそれ、掛け詞にしか聞こえません…。


更に情け無くなって意気消沈するジスカだった。







その後、トウェインとジスカは集合をかけた。
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