亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~

何故こんな平地に塔がいくつもあるのか。


「アレクセイ……この塔は何かな?……あ…人が出て来た」

次々と、塔から人が出て来る。

皆揃って同じ白い服を着ていた。

袖は深い緑、白を基調とした服には、フェンネル国の深緑の紋章が見える。

皆、車が通る道の脇に立ち、深くお辞儀をしていた。


「あれらは皆国家騎士団の者に御座います。城のある丘の前の平地は、国家騎士団の塔……通称、騎士の塔と言われております。皆ここで鍛えられるのですよ」

キーツはじっと塔の群れを眺めていた。

どの塔の上にも、風に靡く国旗があった。





真っ白な塔の城壁。

その更に奥に、本当の城壁が見えた。

急な斜面に生える巨大な城壁と門。


最奥に、小高い丘にそびえ立つ純白の城が見えた。


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