亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
奥へ奥へ。
どこまで続くのだろうと思っていると、だだっ広い廊下の奥に、銀の装飾が施された大きな扉が見えてきた。扉は既に開いていて、中に…人影があった。
父はそのまま入り、脇に並んでいた大臣に頭を下げながら進んで行った。
正面には、白い大きな椅子があった。
金が埋め込まれた、堂々とした椅子。
そこに、ちょっと不似合いな細い人影が腰掛けていた。
ウェーブが掛かった金髪、真っ白な肌、深いマリンブルーの大きな瞳。
………………綺麗な女性だった。
片手には宝珠が先に付いた杖を握り、緑の小さな王冠を被っている女性。
―――王だ。
………この国を治める最も高貴にして、最も偉大な………フェンネル王、53世。
―――女の………女王だったのか。
王族に関しては一切の情報を持ち合わせていなかったキーツ。
男尊女卑の考えが根強いこの国で、よく女王なんぞが出来たものだ。
……心なしか、女王の浮かべる微笑に疲労の色が浮かんでいた。
どこまで続くのだろうと思っていると、だだっ広い廊下の奥に、銀の装飾が施された大きな扉が見えてきた。扉は既に開いていて、中に…人影があった。
父はそのまま入り、脇に並んでいた大臣に頭を下げながら進んで行った。
正面には、白い大きな椅子があった。
金が埋め込まれた、堂々とした椅子。
そこに、ちょっと不似合いな細い人影が腰掛けていた。
ウェーブが掛かった金髪、真っ白な肌、深いマリンブルーの大きな瞳。
………………綺麗な女性だった。
片手には宝珠が先に付いた杖を握り、緑の小さな王冠を被っている女性。
―――王だ。
………この国を治める最も高貴にして、最も偉大な………フェンネル王、53世。
―――女の………女王だったのか。
王族に関しては一切の情報を持ち合わせていなかったキーツ。
男尊女卑の考えが根強いこの国で、よく女王なんぞが出来たものだ。
……心なしか、女王の浮かべる微笑に疲労の色が浮かんでいた。