亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
「そう……キーツ、今年でいくつになりましたか?」
やんわりとした優しい口調だが、緊張は解けない。
「……七になりました…」
声が裏返ったか?……父よ…そんな明後日の方向など見ないで下さい。
女王はキーツをじっくり眺めて、今度は父の方に顔を向けた。
「……良い子をお持ちですわ、ゲイン侯爵。……キーツ、お父様とお話がありますから、別室におりなさいな。………お下がりなさい」
女王はにこにこしながら、杖の先を床に付いた。
すると、家臣数名がキーツの手を取って謁見の間から出る様に促してきた。
後ろの方にいたアレクセイも続いて一緒に出た。
アレクセイと二人、廊下に出ると、何とも言えない疲労感がどっと襲って来た。
……足がふらふらする。
「………キーツ坊ちゃまは意外と小心者なのですな……」
しげしげと見つめてくるアレクセイ。
ちょっとむっとして、キーツは姿勢を正した。
「………小心者で悪かったな…」
「…いえいえ、とんでも御座いません。…親子揃ってよく似ておられます」
……軽く馬鹿にされた気がした。
アレクセイには…勝てない。
やんわりとした優しい口調だが、緊張は解けない。
「……七になりました…」
声が裏返ったか?……父よ…そんな明後日の方向など見ないで下さい。
女王はキーツをじっくり眺めて、今度は父の方に顔を向けた。
「……良い子をお持ちですわ、ゲイン侯爵。……キーツ、お父様とお話がありますから、別室におりなさいな。………お下がりなさい」
女王はにこにこしながら、杖の先を床に付いた。
すると、家臣数名がキーツの手を取って謁見の間から出る様に促してきた。
後ろの方にいたアレクセイも続いて一緒に出た。
アレクセイと二人、廊下に出ると、何とも言えない疲労感がどっと襲って来た。
……足がふらふらする。
「………キーツ坊ちゃまは意外と小心者なのですな……」
しげしげと見つめてくるアレクセイ。
ちょっとむっとして、キーツは姿勢を正した。
「………小心者で悪かったな…」
「…いえいえ、とんでも御座いません。…親子揃ってよく似ておられます」
……軽く馬鹿にされた気がした。
アレクセイには…勝てない。