亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
遅れて帰ってきた母が異変に気付き、キッチンの火に水を被せて消火した後、ミラの看病にあたろうとした。
しかし、そこへカザレが現れ、散々ミラに叱咤した後、母を強引にキッチンに追いやった。
マリアにも着替えを持って来いと命令してきたが、母が全てやってくれた。
朝早くから隣りの村に出かけていた父が、昼頃に戻って来た。
摘んできた花の花分けもせずに寝込んでいるミラと看病していたマリアに、父は激怒した。
家畜に餌もやっていない、部屋の掃除もしていない、なんだこの有様は!
父は容赦無く、力任せにマリアの頭をはたいた。
そんなのは日課の様なもので、慣れきっていた。
ただ、ミラだけはやめて欲しかった。
マリアを散々殴った後、父は大股で自室に入っていった。
―――口の中が切れている。
こめかみの辺りが酷く痛い。明日になったら腫れて、青痣になるかもしれない。
「………姉さん……ごめんなさい……」
辛そうな表情でミラは言った。
青白く冷たい手がマリアの手に重なる。
「………いいのよ、ミラ。………父さんは今カザレの花嫁探しで頭がいっぱいなのよ………まだ15なのに勝手に成人にしちゃって……気が早いわ……」
しかし、そこへカザレが現れ、散々ミラに叱咤した後、母を強引にキッチンに追いやった。
マリアにも着替えを持って来いと命令してきたが、母が全てやってくれた。
朝早くから隣りの村に出かけていた父が、昼頃に戻って来た。
摘んできた花の花分けもせずに寝込んでいるミラと看病していたマリアに、父は激怒した。
家畜に餌もやっていない、部屋の掃除もしていない、なんだこの有様は!
父は容赦無く、力任せにマリアの頭をはたいた。
そんなのは日課の様なもので、慣れきっていた。
ただ、ミラだけはやめて欲しかった。
マリアを散々殴った後、父は大股で自室に入っていった。
―――口の中が切れている。
こめかみの辺りが酷く痛い。明日になったら腫れて、青痣になるかもしれない。
「………姉さん……ごめんなさい……」
辛そうな表情でミラは言った。
青白く冷たい手がマリアの手に重なる。
「………いいのよ、ミラ。………父さんは今カザレの花嫁探しで頭がいっぱいなのよ………まだ15なのに勝手に成人にしちゃって……気が早いわ……」