亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
花嫁になるのは女の幸せと聞くが、マリアはそう思わない。

何処に行ったって、見方、扱い方、待遇、価値観は変わらないのだ。

………幸せなんていう曖昧なものは………限られた人間にしか与えられない。





マリアに結婚の話は無い。

父も、頭に無い様だった。
自分に娘などいないと思っているのではないだろうか。



マリアは、男性が苦手だ。
全く違う、別の生き物に見えた。


「……………まだ若いのに…大変ね」

そう、正面の鏡に囁いた。

目の前に映るもう一人の自分は、やはり微笑んでいた。
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