亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
淡い桃色の花が咲き乱れる小さな花畑がある。
甘い、濃い香りが立ち込めるそこは、探索好きのマリアが見つけたものだ。
誰にも教えていない秘密の場所。
満月が昇る真っ暗な夜空の下で、マリアは咲き乱れる花畑に入った。
籠を置き、満開の花を丁寧に摘み始めた。
月光の効果で、花の色はより明るく、落ち着いた色合いを出す。
(―――なるべく早く帰らないと…)
ついこの間父の怒りを買ったばかりだ。このことがばれればただでは済まないだろう。
ズキズキと痛む身体を沈め、花を摘む手をせっせと動かした。
ああ、あの花は良いなぁ。
これは少し開きすぎているかな。
ふっと、辺りが暗くなった。
背後の満月の淡い光が消えた。
雲一つ無いのに。
「―――――おい」
低い声が、真後ろから聞こえた。
振り返ろうとした瞬間、ぬっと伸びた大柄の手が、マリアの口を塞いだ。
腹部に強い衝撃が打ち込まれ、花畑の中に倒れ込んだ。
「―――っ……!?」
甘い、濃い香りが立ち込めるそこは、探索好きのマリアが見つけたものだ。
誰にも教えていない秘密の場所。
満月が昇る真っ暗な夜空の下で、マリアは咲き乱れる花畑に入った。
籠を置き、満開の花を丁寧に摘み始めた。
月光の効果で、花の色はより明るく、落ち着いた色合いを出す。
(―――なるべく早く帰らないと…)
ついこの間父の怒りを買ったばかりだ。このことがばれればただでは済まないだろう。
ズキズキと痛む身体を沈め、花を摘む手をせっせと動かした。
ああ、あの花は良いなぁ。
これは少し開きすぎているかな。
ふっと、辺りが暗くなった。
背後の満月の淡い光が消えた。
雲一つ無いのに。
「―――――おい」
低い声が、真後ろから聞こえた。
振り返ろうとした瞬間、ぬっと伸びた大柄の手が、マリアの口を塞いだ。
腹部に強い衝撃が打ち込まれ、花畑の中に倒れ込んだ。
「―――っ……!?」