亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
「………可愛くねーの…。………よっし…久しぶりにどっちが多く狩れるか競争しようぜ―」
言うや否や、ジスカは右手を前に伸ばした。
瞬間、ジスカの手元が真っ黒な闇に覆われ、そこから出て来たのは………長い長い、槍。
両端共に刃が付いている。それをクルクルと手慣れた様子で回し、姿勢を低くして構える。
背中合わせの二人。互いに背中を任せられる、信じれる戦友。
………影狩りでの競い合いなど、久しくやっていない。
まだ幼かった頃にやったきりだ。毎回、何故か同数で引き分けになっていた。
懐かしい感覚に、つい笑みが零れる。
「―――いいだろう。今日こそ決着をつけてやる。…前の私とは違うからな」
周りにいた影の何体かが融合し、より巨大な化け物がぞくぞくと出て来ていた。
「―――そりゃあ…お互い様だ…!」
―――その言葉を最後に、二人は同時に跳んだ。
北側の森は、悍ましい悲鳴が鳴り止まなかった。
言うや否や、ジスカは右手を前に伸ばした。
瞬間、ジスカの手元が真っ黒な闇に覆われ、そこから出て来たのは………長い長い、槍。
両端共に刃が付いている。それをクルクルと手慣れた様子で回し、姿勢を低くして構える。
背中合わせの二人。互いに背中を任せられる、信じれる戦友。
………影狩りでの競い合いなど、久しくやっていない。
まだ幼かった頃にやったきりだ。毎回、何故か同数で引き分けになっていた。
懐かしい感覚に、つい笑みが零れる。
「―――いいだろう。今日こそ決着をつけてやる。…前の私とは違うからな」
周りにいた影の何体かが融合し、より巨大な化け物がぞくぞくと出て来ていた。
「―――そりゃあ…お互い様だ…!」
―――その言葉を最後に、二人は同時に跳んだ。
北側の森は、悍ましい悲鳴が鳴り止まなかった。