亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
「………派手に殺ったね…」
視界を覆い尽くすその凄惨な光景を前にして、ただ、その一言のみ。
緑葉豊かな森の筈なのだが、この塔の北側だけ、葉も枝も幹も何もかも………黒ずんでいる。
触れてみると、気色悪いねばねばした液体が糸を引く。濃い激しい悪臭が一向に消えず、その場にいる兵士達の中には耐えきれずに嘔吐している者もちらほら…。
一歩踏み出せば、影の赤い目玉の残骸ばかり。小さな虫が何処からともなく湧いて出て来ては、地に広がる残骸に群がっていく。
「―――……隊長―…グロいよ―、悲惨だよ―、環境破壊だよ―…」
遅れて応援に駆け付けた兵士達と第4部隊の面々。
イブは半ば呆れていた。
地獄絵図の中央には、これまた真っ黒に汚れたトウェインとジスカ。
「―……だいぶ殺ったな―…あ、しまった…夢中で数えてなかったぜ…」
何事も無かったかの様な涼しいを浮かべ、顔に付着した影の体液を拭う。
二人は武器を“闇溶け”で消した後、倒した影を見回った。残骸を極力踏まない様に、イブがぴょんぴょんと跳びながら寄って来た。
「……なんか知らないけど―…どんどん北側に集まってたよ―。あっち側はやること無くて暇だった―…」
それを聞いたジスカは目を丸くする。
「―――あ?………あ―…どおりで多いと思った…少なくとも百は超えてたぞ…」
視界を覆い尽くすその凄惨な光景を前にして、ただ、その一言のみ。
緑葉豊かな森の筈なのだが、この塔の北側だけ、葉も枝も幹も何もかも………黒ずんでいる。
触れてみると、気色悪いねばねばした液体が糸を引く。濃い激しい悪臭が一向に消えず、その場にいる兵士達の中には耐えきれずに嘔吐している者もちらほら…。
一歩踏み出せば、影の赤い目玉の残骸ばかり。小さな虫が何処からともなく湧いて出て来ては、地に広がる残骸に群がっていく。
「―――……隊長―…グロいよ―、悲惨だよ―、環境破壊だよ―…」
遅れて応援に駆け付けた兵士達と第4部隊の面々。
イブは半ば呆れていた。
地獄絵図の中央には、これまた真っ黒に汚れたトウェインとジスカ。
「―……だいぶ殺ったな―…あ、しまった…夢中で数えてなかったぜ…」
何事も無かったかの様な涼しいを浮かべ、顔に付着した影の体液を拭う。
二人は武器を“闇溶け”で消した後、倒した影を見回った。残骸を極力踏まない様に、イブがぴょんぴょんと跳びながら寄って来た。
「……なんか知らないけど―…どんどん北側に集まってたよ―。あっち側はやること無くて暇だった―…」
それを聞いたジスカは目を丸くする。
「―――あ?………あ―…どおりで多いと思った…少なくとも百は超えてたぞ…」