亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
その百以上の化け物を、たった二人で………隊長の座につく人間は、どれだけ人間離れしているのか。

「――……まさかとは思うけどよ…イブ………面倒だからってこっちに追いやったんじゃないだろうな―?」

イブはにっこりと満面の笑みを向ける。

「うるさい馬鹿」

「………ハハハ―………おい糞ガキ…一応隊長である俺に対して、いい加減その態度改めろよ…」

「ジスカが隊長だなんて………吐き気がする」

「てめえ…それは正真正銘の本音だな!?…とても11の小娘の吐く台詞じゃねえぞ……!」

17の成人が11の少女になめられ、且つ敬意も示されないで口論をしている図は、なんとも滑稽で情けない。

第3部隊の兵士達は、そんな我が上司を極力見ないように頑張っていた。
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