亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
兵士達の殆どは就寝しているのか、常に騒々しいこの南側は、嘘の様に静かでなんだか不気味だった。
一番奥に位置する部屋の前に着き、扉をノックした。
………返答は無し。
相変わらずだな…。
もう一度、今度は強めにノックしようとした。
その途端、内側からガチャリと音がし、扉はゆっくり開いた。
中から顔を出したのは、さも面倒臭そうに頭を掻くジスカ。
「―――…ったくよ―…酒はあれでお終い!あんま飲み過ぎると明日の訓練でえらいことに…」
「…お前は部下に酒を飲ませているのか…?」
「………………あ?」
間の抜けた声を出し、ジスカは目の前で腕を組んでいる人物を見て………固まった。
………ちょっと困惑気味のジスカは、目を擦り、今何時か確認して、再びトウェインに向き直った。ややはだけた胸元のボタンを、片手で素早くとめていく。
「―――…あ―…第4部隊隊長さん?………起こしに来てくれるには…まだだいぶ早すぎるかと」
「……何を言ってるのだ……良い酒が手に入ったから飲まないかと誘ったのはお前だろうが………」
不愉快そうに眉をひそめるトウェイン。
ああ…あれね、とジスカは溜め息を漏らした。
「―――…マジで来るか…?」
「………?」
一番奥に位置する部屋の前に着き、扉をノックした。
………返答は無し。
相変わらずだな…。
もう一度、今度は強めにノックしようとした。
その途端、内側からガチャリと音がし、扉はゆっくり開いた。
中から顔を出したのは、さも面倒臭そうに頭を掻くジスカ。
「―――…ったくよ―…酒はあれでお終い!あんま飲み過ぎると明日の訓練でえらいことに…」
「…お前は部下に酒を飲ませているのか…?」
「………………あ?」
間の抜けた声を出し、ジスカは目の前で腕を組んでいる人物を見て………固まった。
………ちょっと困惑気味のジスカは、目を擦り、今何時か確認して、再びトウェインに向き直った。ややはだけた胸元のボタンを、片手で素早くとめていく。
「―――…あ―…第4部隊隊長さん?………起こしに来てくれるには…まだだいぶ早すぎるかと」
「……何を言ってるのだ……良い酒が手に入ったから飲まないかと誘ったのはお前だろうが………」
不愉快そうに眉をひそめるトウェイン。
ああ…あれね、とジスカは溜め息を漏らした。
「―――…マジで来るか…?」
「………?」