亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
総隊長は低い笑い声をあげた。

長い前髪が揺れる。
肩を震わせ、頬杖をついたまま。





「……………その通りだトウェイン。…………………私はお前を……拾ったのだ。……………………あの日………あの城で……………………………………………仕方無く……な」
真っ白な髪から、ギラリと怪しく光る虚ろな瞳が覗いた。
……トウェインは、恐怖を感じた。




そう。



この感覚は知っている。
以前にも………一度……………この目に会っている。




「………………はぁ………………愉快だ……………とても楽しい…………………お前は退屈をさせないな………」

「……………」


………目頭が熱い。
……………堪えきれない感情が…溢れてくる。



総隊長は………嘘などついていないのだろう。

………………こんな彼を………見たことが無い。

隠す気などさらさら無いのだろう。






…………私が………独り………狂っていたも同然なのかもしれない。


「……………私は…………………トウェイン=フロイアでは……ないのですね……………貴方の部下ではなく……………………貴方の……」







「―――お前は『鍵』だ………生きた鍵だ…………」
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