亡國の孤城 ～フェンネル・六年戦争～

―――………連れて行く？


―――………村人全員の総意なんだ。……あの子は…連中に引き渡す。…………奴等も欲しがっていたからな。…………母親であるあんたには辛い事だと思うが……。


―――………良いわ。………その代わり…そのお金とやらは全部くれるんでしょうね？


―――……あんた………良いのか？自分の子供だろ？………金って…………我が子より大事か…？


―――…我が子？………だから何？…………そのお腹を痛めて産んだ自分の子供に………あたしはどれ程苦しめられたと思ってるの？


―――……。


―――あの子供一人のために…あたしは長年苦しんだわ！………誰も相手にしてくれない……友達も無くしたわ…………………あの子のせいで……あたしは何もかも無くしたわ！あんた達のあの子への迫害に………どうしてあたしまで付き合わないといけないの？


―――………。


―――…親のあたしが何をしようが関係無い筈よ。……………あんな疫病神………さっさと連れて行って…！…………あんなのを産んだなんて……！…………………気味が悪くて仕方ないのよ………！













―――…誰かあの子を殺してよ。