亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
灰色の目が笑った。


「………俺の名は…ここではゼリアスで通っている。…これでも一応リーダーなんでね。本名は言えねぇんだ」

「………ダリル。ダリル=メイ」

「じゃあ、ダリル。…………まだ小せぇが…お前には、働いてもらうぜ。………その能力でな」

………能力。

この忌み嫌われてきた、普通ではない力が………どう役に立つというのだろうか。

……そもそも、この力の本当の意味は?使い道は?



「………おい……まだそんな話をしなくても…」

見兼ねたバトラーが割って入って来たが、ゼリアスはにやりと笑みを浮かべた。

「………何を言ってやがる……時間なんて無えんだ。………ここはきっちり、仕事の内容を分からせてやらねぇとな。…………飼い猫に殺られたアベレット達の…二の舞いになりてぇのか?」

「………自滅したあいつらと比べるな……俺達はあいつらとは違う……」



「…ふっ。………さて……話を戻そうか。…ダリル」

ギラギラとした瞳が、再度ダリルに向いた。

ゼリアスは煙草に火を点ける。


……苦い臭いが鼻をつく。

「………単刀直入に訊くが…」

ゼリアスは笑みを引っ込めた。













「人殺しになってみないか?」
< 696 / 1,150 >

この作品をシェア

pagetop