亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
「………大きいどころか…ここは中心部…木の幹にあたるんだぜ?……ここから細かく枝分かれしているんだ。中心であり、全ての連絡部になっている」

「そういうことだ。だからな……」

煙草の火を壁に押しつけながら、ゼリアスはずいっとダリルに顔を近付けた。

……笑みを浮かべてはいるが…その目は険しいものだった。


「………お前が国家の犬を一人でも殺り逃がしたり、尾行でもされれば………ゲームオーバーだ。………分かっているとは思うけどな」

「………分かってるよ」







………僕の存在価値はそれしかないってことが。






赤い煙草の炎は、音も無く、消えた。





見つかって根絶やしにされるのが先か。


民によるクーデターが先か。



あぶない橋を、ただひたすら進む。

今さら引き返せないんだ。










僕の居場所なんて、最初から無いから。
僕が立ち止まる場所は、何処も不幸になるから。


………早く。……早く消えたい。
こんな疫病神……誰か………消して。



























……ある情報が、突然入ってきた。


首都内のとある廃墟に、アレスの使者と思われる少数の兵士がここ何日か出入りしているのだという。
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