亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
リストは顔をしかめた。
オーウェンは無言だ。
「………どこまで力を秘めているんだろうな…」
溜息混じりにキーツは呟き、頭を抱えた。その辺に関しては無知であるらしいリストだけが首を傾げる。
「………それは……?」
「……地下に古文書がどっさりとあるぜ。後で読んどけ。……………伝記みたいな物だが………大昔の戦争の記録が結構生々しく記されている」
…意外にも博識なオーウェン。過去に読んだ古文書の内容を思い出しながら説明を始めた。
「…………そうだな…時代は確か……フェンネル王18世……バリアン王19世、デイファレト王16世の頃……歴史家の間では論争の的になっていた、『第2次神声戦争』だ。………これは約10年続いたらしい。……三国がぶつかりあった大戦争だ」
「……10年間での死傷者は、三国合わせておよそ、9億人強。当時の世界人口が約20億人だったからな………その半分が死んだ。絶滅した聖獣、魔獣諸々は約百種。………その大戦争で要になったのが………魔の者、理の者、召喚獣……」
「………召喚獣は魂の契約さえしていれば、その獣が死んだ後も呼び出せることが出来る。…………つまり、総隊長はその凶悪な古代の聖獣、もしくは魔獣をお持ちなのだ」