亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
………自己満足?
…………………知った様な……口を………!
「―――黙れえぇ!!」
―――ビュッ
オーウェンがリストを押さえ付けた時には、目にも止まらぬ速さで短剣は空を切っていた。
鋭利な切っ先はリストを映す青い瞳へと、吸い込まれる様に一直線に飛んだ。
……それを、トウェインは軽く頭を傾ける動作だけで避けた。
行き場の無い短剣はそのまま、背後の壁に突き刺ささった。
「……お前に何が……!………まともな人間のお前が……!……………………………好きでこんな風に生まれてきたわけじゃない!!」
「……リスト!」
見ていられなくなったキーツも、オーウェンと一緒になってリストを止めにかかる。
「………」
トウェインは黙って、怒りを露わにするリストを見つめていた。
………少年の綺麗な紫の瞳が、深い赤色を帯びていく。
前髪から、うっすらと開いた第三の目が覗いていた。
………その身体の豹変ぶりに気付いたらしい。……ほんの少し伸びた尖った爪。
リストは静かに、歯を食いしばった。
「…………僕を………見るな………!」