亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
助けを求める様に今度はローアンに視線を移す。
バチッと視線が重なるや否や、ローアンはやや慌てた様子で目を泳がせ、何かを表現する訳でも無く誰にも解読出来ないあやふやなジェスチャーをした挙句、更に赤くなってこちらにズカズカと歩んで来た。
ヒールに慣れていないおぼつかない足取りでアレクセイの横を通り過ぎ、「もう寝る!!」とだけ言って部屋から出て行った。
その後ろに続くルアは、アレクセイに鼻息による溜め息を漏らしてさっさと出て行った。
……………何とも妙な……奇妙な空気が漂う。
「…………キーツ様…………」
何となく呼んでみると、再びソファを叩く音が返ってきた。
顔を埋めたままアレクセイを見ようともせず、キーツは無意味に喚き散らす。
「……アレクセェ――――――イ!!…………お前……何なんだ!!何なんだよ!!どういうキャラなんだ!!どういう星の下に生まれてきたんだ!!………………最悪だ……………最悪過ぎる………俺は………俺の不幸は………お前がいるからか!?」
「キーツ様!いくら幸薄だからといって、己を恨む前に他人に八つ当たりはよくありません!!」
「お前が言うなよ!!ほっとけ!!白髪の数でも数えてろ!!」
「…………………こ……酷な…!?」
よく分からない言い争いが階下で響き渡る中、残り少ない酒瓶を手に、冷たい夜気を手で扇ぐオーウェン。
澄み切った空に浮かぶ星を見上げ、ほろ酔い気分で笑みを浮かべた。
「…………うん。……若いねぇ……」