亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
誰かが。



………誰かが?












………何も……始まらない。












私は………その元凶である王族なのに…。











私は、何をしている?






何もしていない。



何も、していないじゃないか……!


カラン…と震える手からランプが滑り落ちた。

火は消え、室内は真っ暗になった。



「…………たくさん…人を殺した。………あの城と……王族を…憎んだ。………そうだ……………私は………戦争を長引かせただけで…………結局………何一つ………」






………何一つ。



















「―――………終わらせないと…!」




















―――…ボウッ。




















目の前が、青白い光で包まれた。

























ゆっくりと顔を上げたローアンの目には…。


………爛れた蝋燭に灯る、青白い炎。










(………)











闇しか無かった室内が、徐々に明るくなっていく。












石盤の銀の文字が、うっすらと………光りだした。


















………自分の身体が見える程、明るくなった。

青白い光りが、優しくローアンを照らす。






………?







……………何が起きているのだろう。











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