亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
………細い身体して………なんつー威力だ。
オーウェンの前に、不敵な笑みを浮かべるベルトークが静かに降り立った。
ズキズキと鈍い痛みが全身に広がっていくが、オーウェンは余裕を感じさせる笑みで返す。
「…………不意打ちで登場とは………あんたらしいぜ…………腹黒い本性が…表に出てるぜ…」
「………不意打ち?…………そのつもりではなかったのだがな。…………貴様には速過ぎたか…?………手加減したのだが…………ふっ………すまない事をしたな」
(……………紳士面したサディストが………)
オーウェンは内心で毒づきながら、眉間に深く皺を寄せた。
………この男、存在からして不快極まりない。
きっと自分とは最低の相性………天と地、白と黒………そんな真逆の性質に違いない。
「………『鍵』は何処だ……?」
「………見つからないかい?………さあ何処だろうな―?俺も現在地までは分からねえなぁ……」
「………この荒野にはいない様だな……」
………幹部揃ってローアンを探している。この男がここにいるということは………他の幹部も戦場をうろついていることになる。
………キーツが心配だ。あいつ……無茶するからなぁ………。
「………お前らみたいな上の人間が揃うと面倒だからな………一人ずつ……潰していかねぇと……」
ニヤリと口元を歪め、オーウェンは槍の刃先を冷血男に向けた。
ベルトークは片目のレンズをずらし………ゾッとする様な冷たい笑みを浮かべた。
「………………戯言を……」