亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
「おや、ご無事で。この大苦戦には有り難い助っ人ですな」
「………それはいいとして…………………なんでお前らがいるんだよ!!」
リストは剣の切っ先をビシッとダリルとイブに向けた。
指された二人は顔を見合わす。
「………だって……こんな影がわんさか出て来たら……戦争どころじゃないでしょ。それにあのでっかい怪物…………うちの総隊長が出すだけ出して、出し逃げしたものだし……それに襲われちゃぁね………部下の僕らが何とかしないと…」
「…………お城の扉が開いたってことは……隊長が中にいるんでしょう?荒野には隊長の匂いがしないもん。………だったら、このばかでかいよく分かんないのからお城を守らないと」
………。
キーツは驚いた表情を浮かべて二人を見詰める。
「……………君らは……何のために…」
この問いに、二人は揃って平然と、答えた。
「「―――隊長のために」」
フフッ、とアレクセイは笑みを漏らした。
「…………ローアン様は本に………幸せ者ですな」
………イブとリストが揃って後ろに振り返った。
キーツを見つけたイヨルゴスが、蹄で地面を削りながらこちらに近付いて来る。
「………何~?あの青い酸欠お化け。………このお兄さん狙ってるわけ?モテモテじゃ―ん。……………………………なんでお兄さんから隊長の匂いがすんの…?」
顔をしかめて鼻を突出すイブから気まずそうに離れ、キーツは剣を構える。
「………ねぇ―、なんで」
「大人の事情だよ、イブ。僕ら子供は、そういう事は、流す」
………何を知っているのか13歳。
釈然としないイブを宥め、同様に構え始めた。