亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~

「おや、ご無事で。この大苦戦には有り難い助っ人ですな」

「………それはいいとして…………………なんでお前らがいるんだよ!!」

リストは剣の切っ先をビシッとダリルとイブに向けた。

指された二人は顔を見合わす。

「………だって……こんな影がわんさか出て来たら……戦争どころじゃないでしょ。それにあのでっかい怪物…………うちの総隊長が出すだけ出して、出し逃げしたものだし……それに襲われちゃぁね………部下の僕らが何とかしないと…」

「…………お城の扉が開いたってことは……隊長が中にいるんでしょう?荒野には隊長の匂いがしないもん。………だったら、このばかでかいよく分かんないのからお城を守らないと」


………。


キーツは驚いた表情を浮かべて二人を見詰める。

「……………君らは……何のために…」

この問いに、二人は揃って平然と、答えた。

「「―――隊長のために」」




フフッ、とアレクセイは笑みを漏らした。


「…………ローアン様は本に………幸せ者ですな」



………イブとリストが揃って後ろに振り返った。



キーツを見つけたイヨルゴスが、蹄で地面を削りながらこちらに近付いて来る。


「………何~?あの青い酸欠お化け。………このお兄さん狙ってるわけ?モテモテじゃ―ん。……………………………なんでお兄さんから隊長の匂いがすんの…?」

顔をしかめて鼻を突出すイブから気まずそうに離れ、キーツは剣を構える。

「………ねぇ―、なんで」

「大人の事情だよ、イブ。僕ら子供は、そういう事は、流す」

………何を知っているのか13歳。

釈然としないイブを宥め、同様に構え始めた。

< 970 / 1,150 >

この作品をシェア

pagetop