亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
こんな、頼りない私でごめんなさい。
どうしようもない大人でごめんなさい。
ごめんね、二人共。
ごめんね。
ごめんね。
「………私からの……………最後のお願い………………」
「………最後じゃない!最後じゃ………ないもん!!………いっぱい……いっぱいまだ……」
「………………マリア……」
…………まだ夜明けを迎えていない真っ暗な空。星一つ無い曇り空を見上げて………………。
マリアは本の少しだけ、泣いた。
「…………………………………………私のこと……………………………本の少しだけ…………………………………覚えていて…」
瞬間、イブとダリルの身体に太い枝が絡み付いた。
そしてそのまま乱暴に二人を放り投げる。
「………マリア!!」
「……………っ…!」
何とか着地し、すぐにまた駆け寄ろうとした途端。
マリアを囲む様に太い枝が地中から生え、あっという間に互いに絡み合って、何処からも手が出せないバリケードが出来上がった。
「……嫌ぁ!!」
「――マリア!!」
時々ね、人生で幸せだなぁって…思ったのは何回だろうなって、数えてみるの。
思い出してみると………案外少ないことに気付くの。
幸薄なのかな―ってちょっとションボリするけど…。
でも、幸せって少ない方が良いんじゃないかなって……思ったの。
だってその方が、大切に出来る気がするから。
宝物みたいに、大事に出来るから。