Distance
-財閥って?
何不自由ない暮らしって?

おじいちゃんがいない生活なんて想像もつかないよ

いつも側で笑っていていてくれて、色んな話を聞かせてくれて、ぽかぽかのお日様みたいだった。

おじいちゃん、寂しいよ、こんなことならいっそおじいちゃんと逝ってしまいたかった----

日が傾き始めた東の空には、白光りした満月が登り始めていた。
171地区の灯台の灯りを見ながらリリィはぼんやりそんなころを思っていた。
< 4 / 10 >

この作品をシェア

pagetop