遠距離恋愛
「あ〜、語学留学するよ！一応、金貯まり次第で。来年の6月頃かなぁ〜。」

ケータは嬉しそうに留学の話しをする。

彼にとって留学は、今の自分の希望であり、自信と誇りなのだ。

「音楽も勉強するの？音楽学校とか。」

ヒロカズは興味があるらしく、かなり食いついている。

「音楽学校なんて行かないよ〜。語学学校だけ。でも、俺通う気無いよ！三ヶ月単位で授業が取れるんだけど、最初の三ヶ月は学校通って、終わったら違う語学学校に転入するつもり。」

ケータは、今まで控えめだったのが嘘みたいに興奮気味に留学について話し出す。

「スポーツとか他にやりたい事があってアメリカに行く人いるじゃん？そうゆう人達が通う学校あるんだって！なんかそこなら通わなくても、単位とれて卒業出来るらしいよ！だから俺はそこに行って、学校にも行かず、路上でギター弾いたりライブ見たり、アメリカという地に触れて新しい感性を身につけたいんだ。」

ケータの話しはあたしが知らない事ばかりだった。

いや、あたしがあえて触れてないからだけど。

色々、ケータの中で話しは進んでいるのだ。


「いいじゃん！それ！確かに、海外に長期居られるのって留学が１番手っ取り早いもんなぁ。けど目的が他の場合、学校通うのは面倒だよな。そんな時、そーゆー単位に緩い学校が役に立つって訳か。」

そんなあたしを余所に、ヒロユキは興味津々だ。
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