☆一番星☆
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アパートに着いて、二人を布団に寝かせた。




「隼人さん、今日はありがとう。二人ともあんなに喜ぶとは思ってなかった」




喜ぶとは思っていたけれど、二人のテンションの高さは、想像以上だった。




「あれだけ喜んでくれたら、連れていって良かったって、本気でそう思う。でも……、絢華ちゃんは、ずっと悲しそうな顔をしてたよな」


「……」




ずっと、優太とのことばかり思い出していたから……


どこにいても、何をやっていても……


必ず優太との時間を思い出してしまう。


三年経った今でも、あたしの心の中は優太でいっぱいなんだ。




「隼人さん、何で、優太だったのかな。……あの日、事故にあったの、何で他の人じゃなくて、……優太だったんだろう」




そう言って、あたしが一番大好きな顔で笑っている遺影を手にとった。


その瞬間、涙がポロポロと溢れてきた。




「絢華ちゃん」




あたしはうつむいたまま、優太の写真をぎゅっと抱き締めた。
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