今夜、俺のトナリで眠りなよ
 珍しく外出…だなんて、嫌味みたい言わないで。

「一樹は一日中、何をしているのかな?」

「え?」

 私は優樹さんから、鞄を受け取りながら聞き返した。

「一樹は日中、家にずっと引きこもっているんだろ? 大学にも行かず、ダラダラと」

「読書したり、ゲームしたり、ネットしたり……いろいろよ」

「要は遊んでいるわけか」

「時々、掃除も手伝ってくれるわ」

「時々ね」

 満足したように、優樹さんがくすっと笑うと二階へと上がっていく。

 まるで、一樹君がグウタラなのを喜んでいるみたい。

 もしかして一樹君の言うとおりなの?

 馬鹿な人間のように振る舞うほうが、安心されるだなんて。何か変よ。
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