今夜、俺のトナリで眠りなよ
「そうかなあ? じゃあ、こっちは?」

「胸元があきすぎ」

「そうでもないと思うけど」

 私はベッドに候補のワンピースを置くと、首を傾げた。

「ベージュのスーツは?」

 一樹君が、クローゼットに並んでいる服を指でさした。

「ええ? これ? 地味過ぎだよ。同窓会なんだよ」

「同窓会だから地味で行くんだって。中学校ってことは、もしかしたら初恋の男子とかが参加するかもしれないだろ」

「初恋? もしかして一樹君、やきもち?」

「煩い。胸を見せるのも、足を見せるのも禁止」

 一樹君が私の部屋に入ってくると、ベージュのスーツを出して、旅行鞄の上に置いた。

「これで、決まり!」

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