ヘタレ王子とヤンキー姫
洗面台に立ち、春樹は赤くなった自分の目を見つめた。

「はぁ…なんでいつもこうなっちゃうんだろう。」

昔からそうだった。

友達ができたと思えば、マザコンだとからかわれ、いつしかいじめられるようになっていた。

中学生の時にも、友達を家に呼んだ次の日には、みんな自分を避けるようになり、いじめられるようになっていた。

毎日振るわれる暴力に、身体中アザだらけ、制服もボロボロだった。

両親には、転んだと話していたが、多分気づいていただろう。

颯太たちは違うと、思う反面、違うと言う確証も持てなかった。

扉の開く音に顔をあげると、鏡越しに樺音がばつの悪そうな顔をして、立っていた。

「どうしたの?」

「あっ?あぁ…あいつらのこと悪かったな。悪気があるわけじゃないんだぜ?ただ、ちょっと調子に乗りすぎるって言うかさ。ほんとごめん。」

「えっなんのこと?気にしてないよ大丈夫。」

そういって、春樹は笑って見せた。

けれど樺音は、眉間のシワを、さらに深くしただけだった。
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