ヘタレ王子とヤンキー姫
彼が正直に担任に話すと、担任は手のひらを返したように、彼を怒鳴り付けた。

颯太は少しその同級生がかわいそうになったが、それよりも教師の態度に腹が立っていた。

「いい加減にしろよ!」

颯太の怒鳴り声に、一瞬教室が静まり返る。

「なに考えてるんですか?前垣を疑って、謹慎までさせたことは一切詫びず、彼が犯人じゃなかったら手のひらひっくり返したみたいに怒鳴り付けて。あんた暇人かよ。怒鳴るのが趣味か?生徒でストレス発散してんじゃねぇよ。」

「坪井!」

「謝れよ!前垣に!」

「何だ教師に向かってその口の聞き方は。」

「すみません。つい熱くなっちゃって、でも先生言葉が省略されてますよ?あなたは教師は教師でも、反面教師でしょ?」

さすがの廉もこの状況で笑いだすきにはなれなかった。

「俺に恥をかかせやがって」

その教師は、ボソリと呟くと教室から出ていった。
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