ヘタレ王子とヤンキー姫
期末になり颯太の通知表を受け取った両親は颯太を叱った。

「なんなんだこの成績は!」

「勉強するふりをして、遊んでたの?」

「違うんだよ!これは!」

「何が違うんだ。いいわけを考える暇があるなら、勉強しろ」

「言い訳なんかじゃない。」

「あきれた子ね。そんなに勉強が嫌なの?」

両親は、結局颯太の話を聞こうとはしなかった。

颯太はその日から部屋に籠り、両親とは一切話さなくなった。

次の日颯太は、廉に勉強を教えながら、廉にある提案をした。

「前垣。交換条件がある。」

「何だよ急に。」

「俺がお前に勉強教えてやる代わりに、俺に喧嘩教えてくれ」
「はっ?」

「もう優等生でいるのはやめたんだ。」

颯太の目は、なにかを決意したかのように、廉をとらえて離さなかった。

廉はうなずくしかなかった。
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